食後の睡眠が体にもたらす、7つのメリット・デメリット

食後の睡眠が体にもたらす、7つのメリット・デメリット

食後にすぐに寝ると牛になるよ、とか、体に良くないという話をよく聞く一方で、食後に眠くなるのは本能だから、睡眠をとった方が良いという話も耳にします。

これは一体どちらが正しいのでしょうか。食後に睡眠をとったほうがいいのか、それとも睡眠をとると体に良くないのか、非常に迷う所です。

そこで、食後の睡眠が体にもたらすメリットとデメリットについてまとめました。



 

食後の睡眠が体にもたらす、
7つのメリット・デメリット

 

メリット:消化を促進する働き


食後に睡眠をとるメリットとして、消化を促進する働きが挙げられます。そもそも、食後に眠くなるのは人間の本能のようなもので、体が行う消化をサポートするために脳が眠くなるように指令を出すのです。

食後は消化を行うために、血液が胃など内臓に集中します。にもかかわらず、無理矢理動いたりすると、血液は筋肉の方へいってしまい、食べたものの消化がうまくいかなくなってしまうのです。

なので、食後すぐの運動は厳禁。食後は横になったりしてリラックス状態で過ごすのがベストです。

 

メリット:肝臓の負担を減らす


肝臓はアルコールを分解したり、ストレスや過重労働、運動のし過ぎなどにも負担をかける臓器として知られています。食後は酸素や栄養分を肝臓がとるための絶好の機会になります。

そのため日頃から肝臓に負担をかけているなという意識ある人は食後に睡眠をとると、血液が肝臓に渡りやすくなり、肝臓の負担を減らし、代謝をよくすることにつながるのです。慢性的に肝臓に負担を掛けている人はもちろん、食後睡眠をとることで肝臓の病気を未然に防ぐことができます。

睡眠をとることが難しいという方は横になるだけでも効果があります。

 

メリット:ダイエットに効果あり


食後に軽く睡眠をとることでダイエットにも効果がある、と言われています。ダイエットに重要なポイントの1つに代謝を上げることが含まれます。この基礎代謝の2割から3割を肝臓が担っていることはご存知でしょうか?

コロンビア大学の研究によると、睡眠時間の少ない人は多い人に比べて73%も肥満になりやすいという結果が実証されています。

先にも述べたように、食後に休むことによって肝臓に栄養をいき渡らせ、肝臓の働きを活性化させる効果があります。活性化し、代謝の良くなった肝臓は体の基礎代謝を上げるために働き、結果ダイエットに効果をもたらすのです。

 

デメリット:脳血流にダメージを与える


食後に起こる眠気の原因は消化のために血液やエネルギーが胃や腸に持っていかれて、脳の活動を休めるからです。食後は脳血流が少ない状態になっています。

つまり、脳の活動が低下した状態で寝てしまうことによって、本来脳細胞に必要な酸素や栄養が届かなくなり、脳梗塞に近い状態になってしまうということです。

夕食後から睡眠まで1時間以上空ける人は、食後にすぐに寝てしまう人に比べて脳卒中のリスクが66%も低くなることがわかっています。少なくとも、食後に睡眠をとることは脳への負担をかけることになります。

 

デメリット:逆流生食道炎のリスク


食事を始めるとすぐに体内では消化活動が活発化し、食後、すぐに睡眠をとることは、胃酸が食道へと逆流する逆流生食道炎のリスクをはらみます。胃酸が逆流すると、食道が炎症を起こし、胸やけや胸の痛みなどの症状が発生します。

食後すぐに寝てはいけないという理由のひとつにこのように具体的で、非常にすぐに自身の感覚でもわかるような症状が発生するのです。

 

デメリット:太りやすい体質を作る


睡眠の間には、脳から成長ホルモンが分泌され、それが脂肪分解の作用をもたらします。ところが、食後はエネルギーが多量に摂取された状態であるため、いくら成長ホルモンが脂肪を分解したとしても追いつかないのです。

夕食後、満腹状態のまま睡眠にはいってしまうと、成長ホルモンで分解されない部分は、そのまま脂肪として体内に取り入れられてしまいます。食後すぐの睡眠は太りやすい体質を作ってしまうことになるのです。

 

デメリット:睡眠が浅くなる


食後すぐに胃腸は消化活動を開始します。そしてそれは消化が終わるまで続くのです。そのため、食後すぐの時間はまだまだ消化中。この消化中の時間帯に睡眠をとっても実は眠りの質はよくないものにしかなりません。

と言うのも、胃腸が活動を行っているということは、脳は睡眠をしていても、臓器は寝ていないという状態です。この状態では、寝ていても疲れがとれないばかりか、胃腸に負担をかけることになってしまいます。
効果的な睡眠をとるためには少なくとも食後2時間から3時間後に眠りにつくのが良いでしょう。

 

食後の睡眠が体にもたらす、7つのメリット・デメリットをお伝えしましたが、いかがでしょうか。メリットとデメリットが重なる部分もあるんじゃないかと思われるかもしれません。

メリットとなる睡眠は、深い睡眠ではなくお昼寝程度の休憩に近いものが効果的で、逆に深い睡眠に入ってしまうとデメリットが多くなります。食後は休憩をして、2〜3時間経ってから深い睡眠につくようにしましょう。

 

まとめ

食後の睡眠が体にもたらす、7つのメリット・デメリット

メリット1:消化を促進する働き
メリット2:肝臓の負担を減らす
メリット3:ダイエットに効果あり
デメリット1:脳血流にダメージを与える
デメリット2:逆流生食道炎のリスク
デメリット3:太りやすい体質を作る
デメリット4:睡眠が浅くなる